Alpari.comが提供するヒストリカルデータは通貨種類がそろっており、期間も長く、高品質と評判で利用されている方も多いと思います。
しかし、利用されるEAによっては正しいバックテスト結果にならないということはご存じでしょうか?
私も利用させて頂いておりますが、EA開発をするようになってからはあまり使用しておりません。なぜならばAlpariのヒストリカルデータにはワナがあって何回も引っかかってしまうから(今でも混乱します)。
その理由を説明致します。
ワナその1.AlpariヒストリカルデータのGMT
Alpari.comのMT4をインストールし、ヒストリーセンタからダウンロードするだけで利用出来ますので簡単で通貨種類も多いので重宝します。
提供しているヒストリカルデータのGMTはGMT+2/+3となりますが、
GMT+2/+3となっているのは2011年5月1日以降
2011年4月以前はGMT+1/+2
と途中でGMTが変わっております!!
意外と知らない方が多いのではないでしょうか?
以下はAlpariさんのGMT変更のお知らせです
Starting on May 1, 2011, the time on our trading servers will be changed from CET (GMT+1) to EET (GMT+2) and the trading week will be lengthened by an hour:
Google翻訳
参考:Starting May 1, Changes in Server Time and Trading Session at Alpari
2011年5月1日から、取引サーバーの時間がCET(GMT + 1)からEET(GMT + 2)に変更され、取引週が1時間延長されます。
実際のチャート画面を見ると画面中央付近の2011年5月2日(月)を境にGMTが切り替わっているのを確認することが出来ます。
わかりやすいように2つのチャート画面を並べました。
上側:DukascopyのヒストリカルデータをGMT+2/+3に変換したチャート
下側:Alpariのヒストリカルデータを使ったチャート
それぞれの時間関係も比較出来るように吹き出しを入れました。
左側:GMT切替前日である4/29のNYクローズあたりの高値
右側:GMT切替後である5/2の高値
Alpariのチャート画面だけでは時間ズレが発生しているのかわかりませんが、並べてみることでGMT切替が発生していることがわかります。
話しが逸れますが、こうして並べて見るとDukascopyとAlpariの0時台のレートは結構異なっていますね。
このGMT切り替えによって何が起きるかわかりますでしょうか?
Alpariのヒストリカルデータを使って2011年5月1日をまたぐバックテストを行うと・・・
2011年4月30日より前は
GMT+1、サマータイムあり
の時間軸で動作することになります。
お使いのEAのパラメータ設定にGMTやサマータイム設定がある場合は意図しない動きとなってしまう可能性があります。
多くのEAがサマータイム自動補正機能をもっておりますが、サマータイムと関係ないところでGMTが切り替わることは想定しておりません(と思う)。
あなたがお使いのEAをAlpariのヒストリカルデータを使ってバックテストした結果、
「2011年4月頃までの成績が開発者のBT結果と違って良くないんだけど・・・」
という場合はこれが原因の一つかも知れません。
ワナその2.Alpariの月曜日の取引開始時間
Alpariの取引時間はAlpari.comを見ると
With Alpari, you can trade Forex around the clock, 5 days a week:
Forex trading hours
・From March to October: from 00:05 (GMT+3) on Monday to 23:54:59 (GMT+3) on Friday.
・From October to March: from 01:05 (GMT+3) on Monday to 00:54:59 (GMT+3) on Saturday.
となっており日本時間に変換すると
月曜日06:05~土曜日05:54:59(夏時間)
月曜日07:05~土曜日06:54:59(冬時間)
ついでにメンテナンス時間は
05:55~06:05(夏時間)
06:55~07:05(冬時間)
となっております。
Alpariの1分足ヒストリカルデータを見ると月曜日00:05(サーバー時間)から始まっていることを確認出来ます。しかし、この取引時間は
2015年4月20日
からとなります。
この日以前はメンテナンス時間はありません。
We would like to inform you that on 20th April, 2015, the trading timetable will undergo some changes:
Changes to the Trading Timetable on 20th April, 2015
・The trading session opening and closing times will change: trading session opening for the week will now take place at 00:05 on Monday and the week will close on Friday at 23:55 EET;
・At rollover, a break will take place every day from 23:55 to 00:05 EET.
この影響により何が起こるでしょうか?
Alpariのヒストリカルデータを使って2015年4月20日をまたぐバックテストを行うと・・・
2015年4月20日より後は
メンテナンス時間あり
メンテナンス中のレートはなし
となります。
例えば4時間足で動作するEAの場合、0時の注文が無効となります。
どちらかというとメンテナンス時間のあるFX業者が一般的と思いますので2015年4月20日以降の動作が実態に近いですね。
バックテスト期間の途中で取引時間が変わるというのは想定していないというか、どちらかにして欲しいところです。
ワナその3.Alpariのサマータイム
「ワナその2」に掲載した2つのチャート画像の週末の時間が違うことにお気づきになりましたでしょうか?以下に同じ画像を載せました。
上側:2015.04.17 23:59
下側:2015.03.27 22:59
Alpariのサマータイムは
英国式(3月最終日曜日~10月最終日曜日)
になっております。
ちなみに米国式のサマータイムは3月第二日曜日~11月第一日曜日となります。
もしあなたのお使いのEAが以下の場合
・サマータイム設定:あり
・米国式と英国式の選択:ない
開発者がサマータイム設定を米国式で設計していると意図と異なる動作になる可能性があります。
ワナその4.Alpariヒストリカルデータの時間ズレ
「ワナその1」で2011年5月1日を境にGMTが切り替わるという話をしました。これに関係するのですが、2011年4月30日より前は日本時間で、
月曜日06:00~06:59(夏時間)
月曜日07:00~07:59(冬時間)
上記時間帯のレートがない
です。
言葉だけではわかりずらいので2つのチャート画面を並べました。
上側:DukascopyのヒストリカルデータをGMT+2/+3に変換したチャート
下側:Alpariのヒストリカルデータを使ったチャート
チャート画面中央までは上下でレートが異なっているのが確認出来ます。
まだわかりずらいのでAlpariのチャート画面を加工しました。
上側:DukascopyのヒストリカルデータをGMT+2/+3に変換したチャート
下側:Alpariのヒストリカルデータを使ったチャート
中央(赤矢印箇所)から左側を1時間左にシフト
上下のレートが同じになりました。Alpariのヒストリカルデータは07:00~07:59がごっそり抜けているのが確認出来ると思います。
ワナその2と同じですが、こちらはデータが1時間分抜けているので影響は広範囲になると思われます。
Alpariのヒストリカルデータを使って2011年5月1日をまたぐバックテストを行うと・・・
2011年4月30日より前は
月曜日06:00~06:59(夏時間)
月曜日07:00~07:59(冬時間)
上記時間帯の注文は無効
となります。
あなたがお使いのEAによっては取引回数に影響が出る可能性があります。
Alpariのワナまとめ
いかがでしたでしょうか?
Alpariのヒストリカルデータを使う場合はワナをよけて?理解して使いましょう!
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